大坂の陣後は江戸幕府が盤石の体制を築き、大凡260年間泰平の時代が続きます。この間に、経済力を支えに元禄文化花開き、現在に伝えられる「歌舞伎」「文楽」の礎が築かれます。少し脱線しますが、元禄文化の中で浮世絵が生まれ、浮世絵が富士山を見事に描いて伝えたことも、世界文化遺産に選ばれた一助になっています。
戦の後、寛文年間に尾張藩主大納言徳川光友(家康の孫)が当時の高僧珂憶上人に深く帰依して、河内国(柏原市玉手町)に玉手山安福寺(ぎょくしゅざんあんぷくじ)の再建に惜しみなく支援します。寺は、聖徳太子式珂憶造りという独特の丸みを持った本堂屋根が象徴的です。
また、珂憶上人は玉手山の高所(玉手山7号墳)で夏の陣の戦場が見渡せる場所に、大坂夏の陣供養塔を建立されます。多くの武士や市民の犠牲により、平和な時代が訪れた事に感謝しつつ、その後の平安を祈ったのでしょう。
本年6月1日には、地元の有志と安福寺(大崎信宥住職)が主催して1615年の大坂夏の陣から399回忌が催されました。そして来年は400回忌法要と言うことで、戦に関係する子孫が東西の区別無く、又多くの市民の参加されることを関係者が願っておられます。大坂の陣としてのイベントも、大阪市を始め各種企画されていますが、大坂の陣を語る上では、: 道明寺片山の戦の主戦場であり後に供養の中心となった安福寺を外しては成立しません。
ここまでお読みに成られた読者の皆様は、400回忌と言わず秋の行楽や来春の桜のシーズンに、是非柏原の地と安福寺等を訪問されて、この地に散った武士の気概に振れていただきたいと想い、この一連の「大阪の陣」シリーズをしたためました。また、玉手山は江戸時代からの名所で小林一茶も訪れて俳句を作っております。句碑も公園内に設けられています。
大坂の陣=冬の陣と夏の陣を総称して使用する場合があります。
市立玉手山公園=午前9時~午後5時、入場無料、水曜日休園(駐車場無)
交通機関=近鉄大阪線河内国分駅、近鉄南大阪線道明寺駅、JR関西線高井 田駅それぞれ徒歩圏内
市立玉手山公園=午前9時~午後5時、入場無料、水曜日休園(駐車場無)
交通機関=近鉄大阪線河内国分駅、近鉄南大阪線道明寺駅、JR関西線高井 田駅それぞれ徒歩圏内