河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

お湯休め「昭和の豆腐屋さん75年の幕を下ろす」

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 親子二代にわたり、河内の商店街で豆腐屋を営んできた「TN商店」が本日をもって幕を下ろすこととなった。初代が昭和15年に創業してから数えて75年、現店主も親父を手伝う形で関わってから50年という。

 多い日には豆腐千丁を造り、店売りは奥様に、ご亭主は早朝は食堂などに配達して後、流し売り。例の鐘をチリンチリン鳴らして、台所から奥様方を呼び寄せる昔ながらの販売方法。

 最近は、スーパー、コンビニ及び生協等で買われる家庭が多くなったが「兄ちゃんの豆腐は美味い」という、根強いファンのためにそう売れない流しをしてこられた。中には、独居老人に頼まれて、半ば安否確認の為に定期的に豆腐を配っている家庭もある。

 我が家も、先代からの馴染み。今では鐘の音に代わって旗を掲げて注文の意思を表すが、この旗を見ると愛犬ミミは兄ちゃんから揚げが飛んでくることを知っており、玄関前で兄ちゃんをじっと待っている。「最近は庭で飼う犬が無くなり、ミミだけや・・」と機嫌の良い時には厚揚げまで飛んでくる。

 豆腐製造一筋、良い水にも恵まれてと語る兄ちゃんは、千丁の豆腐を造り、一日20キロの道のりを年300日以上50年間、豆腐という家庭のちゃぶ台のぬくもりを運び続けた。35万キロも、この笑顔と共に。ご苦労様でした。

 写真:この笑顔で売り歩く、荷物も相当なもの、店舗には馴染みからの花束、我が家の合図(今日も最後の合図を掲げます)

 豆腐
 たかが豆腐 葱醤油だけ 鍋ものに合う 白生地のよう 妹のごとくに
                        <願望山頭火>