河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

師走かな 新たな春を 迎える備え

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 お正月飾りの縁起物「千両」です。庭の隅に数年前に何本か挿し木にしてあったのが、斯様に育ちました。写真に撮ったあと、雀さんたちのおやつにならないように寒冷紗を架けさせて貰いました。雀には蕎麦の実を餌にあげることにします。正月には玄関か床の間に飾ることが出来るでしょう。

 千両は、日本に古くからある低木の一種です。今も昔も愛される庭木の定番で、赤い実をつける枝は、正月飾りによく見かけます。万両と共に「千両、万両」と称され、商売繁盛の縁起木としても人気です。これを来年の年賀状の素材にしようと、デザインを思案中であります。

 古来種ではありますが、江戸時代の初期から盛んに栽培され、生け花に使われたようです。生け花の伝書。『立花大全(りっかたいぜん)』には、水木の心(しん)、前置(まえおき)に用いる類、下にばかり用いる類にあげ、せんりゃう、仙蓼と綴るとあります。仙蓼が千両に変わるのは江戸の後期で縁起物とされてからとか。

 千両はセンリョウ科、万両はヤブコウジ科に属します。実のつき方で区別がつきます。千両は葉の上に実をつけますが、万両の実は葉の下につきます。どちらも鳥が好きな実ですが、万両は葉の下に実がつくのでその分長く実を残しておくことができる様です。千両(センリョウ)の花言葉は利益、祝福、富、財産、恵まれた才能、可憐。

 千両のことあれこれ考えている内に朝井まかて著の「花競べ 向嶋なずな屋繁盛記」を思い出しました。江戸時代の育苗家夫婦の日常を描写した、時代小説らしくない大変引き込まれた本です。参加している若草読書会の課題図書でもありました。歳をとると思想とか学問的とかいった課題より、肩の凝らない本が良いですね。師走ネタから余り外れないうちに・・・では。

 写真:千両二題

 縁起
 千の冨 萬の冨より 生きる幸 <偐山頭火