河内温泉大学

姓は車 名は寅次郎 人呼んで フーテンの寅と発します

「が」か「がん(癌)」か フォアグラ体験の入院生活も楽し

 5月下旬大阪市内のO病院で下咽頭に出来た腫瘍の摘出手術を受けてきました。コロナ禍の下一番気を使ったのがコロナでした。二週間前から体温検査、入院直前にはPCR検査、これらに合格しないと晴れて入院できない。その理由は皆さんよくご存じの通りです。
 港区方向 横の国際会議場ではコロナワクチン接種も開始

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 加えて、口腔をガバッと押し広げ此処にガイド(咽頭鏡)を押し込む、そして内視鏡カメラ付き超精密手術装置で腫瘍下にヒアルロン酸を注入して浮かせて、ITナイフではぎ取って回収です。口腔に近いので、歯や歯茎の衛生管理が悪いと雑菌が血管に入り認知症等の脳の病気になりかねないので、事前の歯科検査も大変です。昔なら、咽頭部をガバッと取り空気孔を明けて付けて終わり・・・でしたが。残存機能を最大限残すという術法です。手術も二時間ほど、入院も愚僧の場合少し伸びて10日ほど。これで、やや普通の暮らしをさせて貰っています。この後、再発なら抗がん剤放射線治療そして切除手術とありますので、自然死までは何とか持つという、最新技術とQOLの考え方でしょう。
 手術概略図

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 さて、表題の「が」か「がん(癌)」ですが、積年の飲酒習慣で食道と今回と同じ下咽頭の癌摘出手術を受けたのが4年前でした。当時食道動脈瘤の同じ内視鏡手術を受けましたので、4ヶ月で3回同様の手術を受けたことになります。当時、一番大きな課題は食道癌でした下部咽頭には「種」の様なものがイッパイあるが主要なもののみ取りますした。今回はその下部咽頭部の腫瘍を取ったのですが、検査に回さないと確定はしません。癌もステージⅠからⅡ、ⅢとあるようですがⅠに至っていない癌もあるそうです。愚僧の場合、これで最後にして欲しいという願いもあって、癌に成長しきっていないものも取れる分は全て処置したと云う事で、来月の検査結果が楽しみであります。
 今回は北向きの部屋でした(これで東西南北一廻り)

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 そのような手術の結果、軟骨で出来た喉仏付近まで、採掘(?)が進み喉仏が露出してしまったので、入院が二日延びました。医者は快復力を付けるためにと胃までのチューブを鼻から差し込んでポンプで直接栄養ドリンクを注ぎ込みます。最初は一食200CCですが、これを2時間かけて胃に流し込みます、一日6時間餌を喰ってるわけです。食前や食後の薬も水で溶いて鼻から注射器で流し込む。体力が付くよ・・・と仰るが味も何も無い単なる人間ホアグラ製造機です。
 人間ホアグラ製造機

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 その甲斐あって5日目には口腔カメラの結果、チューブ(60センチありました)は外れましたが三分粥からの再スタート。食べ物が無理なく口腔から傷を通過して食道に無事通じることを確かめて先週金曜に退院となりました。退院も、本来の主治医は消化器内科のY部長ですが、同科には全身麻酔装置がある手術室が無く、耳鼻咽喉科の所轄する部屋を借ります。すると、この場合は耳鼻咽喉科が主治医に変わりますので、最終判断は耳鼻咽喉科のO部長がなさいます。患者にとって臓器は一帯で、食道と下部咽頭では境界明示は不可能に近いし両方に乗っかっている場合があり、こんなケースは増えてくるでしょうね。私の場合は診療科連携がよく働いていると思いました。
 三分粥といかるが牛乳

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 今回は三つの科の連係よく(前回もそうでしたが)上手く行った例だと思いますが、こっちだ、いやそっちだとなると診療科だけでは無く、病院を跨がると困るのは患者ですね。

 がかがん 運がよければ んがない  <偐山頭火