日経新聞朝刊に「ワカタケル」の連載小説が昨年から始まっています。今月からは夕刊で在原業平の物語が始まっていますので、朝夕刊同時に「大河ドラマ」風です。かつては色物が続くとそればかりというのか、バランス感覚がどうかと考える同紙の小説企画です。でも、業平はまだ評論するほど読み進んでいないのですが、ワカタケルは面白いです。
しかし、読みづらいと感じていました。今朝の第121回目「即位と統治01」でいきなり、読者諸姉諸兄への作者の弁明。から入りました。(写真参考)
と具体的にそれぞれ説明している。説明されるまでも無く、「ワカタケル」や「ワカクサカ」。「イチノヘノオハシ」や「カムヤマトイハレビコ」に至っては、読む度に元に戻ってどの人やったと確認作業を繰り返す。二番目にしても「天皇」ではなくオオキミです。同様に「雄略」はワカタケルとなります。最後の詩の引用は、大変な努力と忍耐が必要です。作者曰わく「新聞小説で1500年前の詩ないしは歌謡をそのまま引くというのは無理がある」しかし「あの時代の人々には歌の他には感情を表現する手段がなかったのです。彼らの心の内を伝えるには引かざるを得ない」と語っています。
連載新聞小説の作者が、そのコマの中で弁明とは聞いたことがありません。善し悪しはともかく、それほど読者の反響があったのでしょう。作者の「意」に敬意を表してもう暫く付き合って読んでみようと思います。
主人公「ワカタケル」のお墓が河内にあります。宮内庁公認が羽曳野市島泉に丹比高鷲原陵として、非公認参考陵が松原市西大塚に大塚陵墓参考地として。島泉が円墳と方墳の二基で一つ、西大塚が前方後円墳で大きさから言うと参考陵の方が立派です。本日はこの二つを巡る銀輪行。快晴とはいかないですが、風も無くコンディションとしてはまずまず、遠くに望む葛城山麓では一言主神とも絡んだオオキミ、今後の紙面での行く末をあれこれ想像しつつの楽しい銀輪行でした。
連載小説
読みづらい 文字間読めと ワガカタル <我儘大王>
読みづらい 文字間読めと ワガカタル <我儘大王>