今回の旅でお世話になった宿は「キャッスルイン伊勢」というビジネスホテル。伊勢では定宿にしています。平日一泊で5500円は安いです、ビジネスホテル特有というかこぢんまりしていて清潔感があります。付属している「温泉」は割り切りです。
一階にある食堂というか居酒屋「漣」は特にお勧めです。伊勢の海産物が新鮮でお安い。地元の利用者でいつも満席に近いと云うことは、それなりに有名なんでしょう。サザエ、鮑そして海老が特にお勧めです。
伊勢の行き帰りでよく利用するのが「榊原温泉 神湯館」ですが、今回は東海道を見学しようと云う意図から滋賀県へ足を伸ばしました。そこで見付けたのが「大河原温泉 かもしか荘」という公設民営の国民宿舎です。現代の国民宿舎はオーベルジュ風に蘇っています。
フレンチのコース料理、食堂の窓から見えるイルミネーションに花火です。こうなっては「女中さん、もう1本!」の領域ではありません。デザートとコーヒーが出されて退散して部屋で一人宴会です。おまけに部屋もツインベッドに和室も付きます。ソファーから冷蔵庫まで移動するにも「ヨイショ」となります。ビジネスホテルとの落差は著しいですね。
お風呂は加水・加温ですが温泉です。湯の花が浮かぶ本格派で、夜二回、早朝にも戴きました。立ち寄り客がいない朝風呂が良かったです。宿で落ち着いて過ごせそうなら「連泊」してもと思っていましたが、あの食事を連日となると腰が引けて帰って参りました。
連泊予算で「妻命」の牛肉を買ったと思えば、息子の家族を入れて五人で五倍も楽めました。以上が「街道の郁」の楽屋話です。近江から逢坂の関そして伏見・淀を通過して帰ると落語「東の旅」の完成形でした。帰ってから惜しいことをした、と思うのがどうやら「私の旅」の落ちのようです。